相続税の申告期限について
2021年07月14日
目次
1・・・相続税の申告期限
相続税の申告期限はいつまで?
相続税は財産を所有されている方がお亡くなりになった日の翌日から10か月以内に、お亡くなりになった方の納税地の税務署に相続税の申告書を提出し、納税を完了しなければなりません。
例 6月20日にお亡くなりになった場合
申告期限は 4月20日です。
ただし、申告期限の日(例だと4月20日)が土曜、日曜、祝日等の場合はその翌日が申告期限となります。
申告期限を延長することはできるのか(新型コロナウィルス感染症もここに該当)
相続税の申告期限は、延長できません。
ただし、国税庁長官、国税不服審判所長、国税局長、税務署長又は税関長は、災害その他やむを得ない理由による場合には申告期限を延長することができます。申告期限は災害等がの理由がやんだ日から2か月以内となります。
今回の新型コロナウィルス感染症の場合では、『災害による申告納付等の期限延長申請』の書類を税務署に提出して対応します。この書類には災害等がやんだ日を記入する箇所があります。
税務申告書と同時に提出するときは、税務申告書の提出日を記載します。
新型コロナウィルス感染症のような災害は、いつ災害がやんだのかが分かりづらいです。
このようなときは税務申告書の提出日を災害等がやんだ日として記入するのが良いかと思います。
申告期限までに納税ができなかったらどうなる?
相続税の申告期限までに相続税を納税できなかった場合には、延滞税がかかります。
延滞税とは遅延利息のようなものです。
延滞税の割合は年によって異なります。
令和3年中の延滞税の割合は次の通りです。
① 納付期限の翌日から2か月を経過する日まで・・・年2.5%の割合で日割り計算
② ①の翌日以後・・・年8.8%の割合で日割り計算
ただし、延滞税が免除される場合もあります。たとえば次の場合は延滞税が免除されます。
①災害等により納税が猶予されている場合。
②災害等により申告期限が延長された場合。
2 相続税の申告期限までに分割協議がまとまらなかったら?
申告と相続税の納税は?
相続税は分割協議がまとまらならず、相続財産の取得者が決まらなくても申告期限までに相続税の申告書を税務署に提出し、相続税の納税を完了しなければなりません。
この時に各相続人が納税する相続税の額は、全体の相続税の額を各相続人の法定相続分の割合だけ納税することになります。
この時に税務署に提出申告書には必ず『申告期限後3年以内の分割見込書』を合わせて提出してください。
配偶者に対する相続税額の軽減や小規模宅地等の特例は?
相続税について、分割協議がまとまらなかった場合でも申告をしなければなりませんが、『配偶者に対する相続税額の軽減』と『小規模宅地等についての課税価格の計算の特例』(以下『小規模宅地等の特例』といいます)を適用することができません。
この2つは相続税を低くする効果が非常に大きいルールです。
配偶者に対する相続税額の軽減
この制度は、配偶者が取得した財産の金額が、次の金額のどちらか多い金額まではは配偶者に相続税がかからないという制度です。
① 1億6000万円
② 配偶者の法定相続分相当額
小規模宅地等の特例
この特例は、条件に合致する土地でしたら330㎡(200㎡の場合もあります)までの部分は、土地の評価額を80%(50%の場合もあります)減額することができる特例です。
マンションを購入してお住まいの方も、条件に合致すれば適用することができます。
その後分割協議がまとまったら?
申告期限から3年以内(お亡くなりになった日から3年10か月以内)に分割がまとまったら、分割協議で決まった内容で申告書を作成しなおして税務署に提出します。
『配偶者に対する相続税額の軽減』と『小規模宅地等の特例』を適用することができます。
分割協議により相続税が増えた方は修正申告書を提出し、相続税が減少した方は更正の請求書という書類を税務署に提出します。
この場合の追加で支払う相続税については、分割が確定した日から4か月を経過する日までは延滞税はかかりません。ですので、分割が確定しましたら4か月以内には修正申告書の提出と納税を完了させてください。
3 小規模宅地等の特例と申告期限
小規模宅地等の特例が適用できない場合がある!
小規模宅地等の特例が適用できる土地を取得したとしても、申告期限までに売却をしたり、被相続人と同居していた方が申告期限までに同居していた土地から引越すと、この特例が適用できなくなります。
例えば100㎡の住宅地の評価額が1000万円があります。
小規模宅地等の特例が適用できると80%減少して評価額が200万円となります。
適用できないと同じ土地が1000万円で評価しなければなりません。
申告期限を延長した場合の小規模宅地等の特例の注意点。
新型コロナウィルス感染症の影響により相続税の申告期限を延長するような場合には、小規模宅地等の特例が適用できなくなる恐れがあるので、申告期限を延長する場合には土地の売却スケジュールにはくれぐれもご注意くください。
といいますのは、小規模宅地等の特例が適用される要件の1つとして、
『申告期限まで居住の用に供していること』や
『申告期限まで事業の用に供していること』
があります。
このような土地を申告期限後に売却すれば、小規模宅地等の特例が適用され相続税は安くなるし、ご希望通り土地は売却できるので思い描いた通りの資金繰りができるはずです。
しかし、新型コロナウィルス感染症の影響により相続税の申告期限は延長したが、土地ついては当初のスケジュールのままで売却した場合には、売却の日が申告期限前に到来することもあります。
その場合、
『申告期限まで居住の用に供していること』や
『申告期限まで事業の用に供していること』
の要件を満たさなくなるので、小規模宅地等の特例が適用できなくなります。
その結果、想定していた相続税額より多い相続税を納税することになります。
ですので、相続税の申告期限を延長される場合には小規模宅地等の特例についても十分に検討してください。
4 おわりに
今回は相続税の申告期限に関わることをまとめてみました。
相続税の申告は、10か月で申告と納税を完了しなければなりません。
これは長いようで短いです。
葬儀後の故人を偲ぶ時間、
死亡に伴う各種手続き、
四十九日などの法事
相続人が集まっての分割協議(複数回に及ぶ可能性もあります)
相続税の申告をするための書類の準備、税理士への依頼相談
納税資金の算段
などやることがたくさんあります。
私たちは、そんなご遺族の方が少しでも故人を偲ぶ時間を大切にしていただけるように、専門用語を使わずに安心した相続税の申告を行えるようにサポートしています。
「そもそも相続税はかかるの?」
「次にどんな手続きをすればいいの?」
「将来の相続の対策はどうすればいいの?」
など、些細なお悩みでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
ウェブ面談も受け付けておりますので、ご希望の方はお申し付けください。
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