相続税申告を自分でする時に注意するポイントとリスクまとめ
2021年12月17日
目次
相続税を自分で申告する人は全体の2割未満
財務省の調べによると、相続税の申告書を税理士に依頼せず、自分で申告した人の割合は全体の2割未満とされています。
つまり、相続税申告のほとんどは税理士に依頼しているというのが現状です。
仮に申告書にミスがあった場合、税務署が調査に入ってきます。
この税務調査に入られた場合、そのほとんどが追徴課税(ペナルティー)の対象となってしまいますので、自分で相続税を申告する方は、抜け漏れなく資料を集め、適切に税額を計算し、ミスの無い申告書を作成する必要があります。
これから、自分で申告書を作成するにあたって注意すべきポイントやリスクをご紹介していきます。
【全員が対象!】預貯金に関する注意点
過去10年の預貯金の流れを確認
相続税を申告した約20%の方が、相続税を申告した後で税務署から調査が入ってしまい、そのほとんどが追徴課税の対象となってしまうと言われています。
税務調査の対象は富裕層だけではありません。
一般層の方も富裕層の方も関係なく、税務調査は実施されていきます。
そんな税務調査で最も指摘されやすい項目が現預金です。
税務署は過去10年間の預貯金の流れをチェックできます。
親族の口座に100万円をこえるような資金の移動があった場合、
「口座名義人は違えども、実質的に亡くなった方の財産だ」とみなされてしまう事があります。
また、高額な買い物についても要注意です。
資金の動きや出どころについて説明ができるような状態にしておくことが重要です。
銀行口座の抜け漏れ
普段使っていない金融機関の口座が抜けてしまうケースもよくあります。
口座の抜け漏れが無いかしっかりと調べておきましょう。
遺産に土地が含まれる人の注意点
土地を相続する人
土地を相続する場合、その土地の「時価」を計算しなければなりません。
国税庁のHPで公開される「路線価」を参考にして計算します。
基本的には「路線価×土地の面積」で計算ができますが、その土地の形状や立地、用途などによって大きく減額ができる可能性があります。
ただし、土地が倍率地域にある場合は「固定資産税評価額×倍率」で計算します。
倍率については、路線価と同様、国税庁のHPで公開されています。
ご自身の土地がどの地域にあるのかは、インターネットで「財産評価基準書」と検索すれば国税庁HPから確認できます。
特例の適用
遺産に土地が含まれる場合、特に重要なのが小規模宅地等の特例です。
これは、亡くなった方の自宅などの土地の評価を最大80%も減額できるという制度です。
この特例については、間違えた場合は後から修正することはできません!
土地の評価額は納税額を大きく左右するポイントですので、特例の適用ミスには十分気を付けて確認しましょう。
債務・葬式費用の注意点
債務のミスが多い項目
借金だけでなく、亡くなった方の未払費用などは相続財産から差し引くことができます。
以下のような債務は計上漏れが多いためご注意ください。
- 所得税、住民税(1月1日から亡くなった日までのものを計算)
- 固定資産税
- 未払の医療費、水道光熱費
- (個人事業主の場合)事業上の未払金
- (不動産事業の個人事業主の場合)預かり敷金
なお、借入金であっても団体信用保険が付いている住宅ローンは差し引くことができませんのでご注意ください。
葬式費用のミスが多い項目
亡くなった方の葬式にかかった費用は、相続財産から差し引くことができます。
ただし、葬式費用のうち一部は差し引くことができません。
以下のような葬式関連費用は差し引くことができません。
- 香典返し
- 墓地・墓石などの購入費用
- 位牌(白木位牌は可)
- 初七日や四十九日などの費用
自分で相続税申告をするリスク
税務調査のリスク
申告書にミスがあり、税務署が調査に入ってしまうとそのほとんどが追徴課税(ペナルティー)の対象となってしまいます。
税理士のお墨付きの申告書と、自己作成の申告書とでは、自己作成の申告書の方が誤りが多くなりますので、税務調査に入られる可能性が高くなります。
税務調査は、ご家庭のプライベートな内容にも及んで詳細を調べられますので、心身の負担も大変大きくなってしまいます。
このような心配をなくすためにも、ミスなく申告を行うことが大切です。
納税額が何倍にもなる可能性がある
財産の評価方法
相続税の申告では、財産の評価を適切に減額させることが税額を減らすための最も重要なポイントです。
専門的な知識を押さえていなければ、税額を減額するポイントを見逃してしまうことがあります。
特に不動産については、形状・用途・立地などの様々な条件を基に、減額ポイントを探っていきます。
さらに、遺産の分け方でも納税額が大きく変わることもあります。
特例の適用
納税額を大きく減額するような特例がいくつも存在します。
「3-2特例の適用」でご紹介した小規模宅地等の特例だけでなく、納税猶予、配偶者の税額軽減、相次相続控除、延納や物納といった特例は、税負担を軽減するインパクトが非常に大きいです。
申告後に修正できないものが多く存在します。
税理士に相続税申告をお願いした場合
税務調査のリスクが低くなる
申告書にミスがあり、税務署が調査に入ってしまうとそのほとんどが追徴課税(ペナルティー)の対象となってしまいます。
相続に詳しい税理士が作成した申告書には、ミスがあるケースが極めて低いため、このような税務調査で追徴課税を課されるようなリスクが低くなります。
ただし、相続税は税理士にとっても非常に特殊な分野です。依頼する税理士が相続税に詳しいかどうかは必ず確認するようにしましょう。
納税額が低く抑えられる
財産の評価や特例の適用など、相続税を減額するような方法はたくさんあります。
税理士が適切に判断することによって、納税額を大幅に抑えることが可能となることも多くあります。
ただし、これらは税理士の知識や経験がないと適切に適用できない場合が多く、率直に申し上げると、ご自身で全てを判断することは難しいでしょう。
将来の相続対策のアドバイスがもらえる
相続とは、単に今の申告を完結させれば良いようなものではありません。
税負担だけでなく、亡くなった方のご意向や、ご家族のお気持ちにも配慮しながら、将来の相続まで想定したうえで進めるべきだと考えています。
相続に特化したような税理士事務所では、相続税の申告だけでなく、将来の相続に対する提案を受けることができるでしょう。
税理士報酬が必要
これは税理士に依頼するデメリットです。
各事務所によって、それぞれの報酬体系を設定していますが、遺産の総額×0.1%程度としている事務所が多いです。
具体的な報酬の相場については別の記事で紹介しておりますので、そちらをご覧ください。
『相続税を税理士に依頼した時の相場は?メリットとデメリットは?』
ただし、税理士に依頼することによって納税額を大きく下げることができ、報酬を支払ったとしても結果的にお得だったということも多いため、一概に報酬の支払いがデメリットであるとは言えません。
ご自身の状況を確認して、税理士に依頼すべきかどうか、ご判断ください。
まとめ
相続税の申告は、誰しもが何度も経験するものではありません。
言ってみれば、ご遺族の全員が初心者なのです。
税理士ですら相続税については詳しくない税理士が多いので、みなさんが相続について詳しくないのは当然のことです。
何と、税理士に依頼したとしても担当税理士によって納税額は何倍にも変わってくることがあるくらい、特殊な税金なのです。
相続税は落とし穴に気づかなければ大きな損をしてしまう可能性があるので、自己判断で進めていくのは危険です!
私たちは相続に特化した税理士事務所として、「相続初心者の方向け」のサービスを徹底しています。
多くの方が感じている税理士の敷居の高さを壊して、安心して任せていただけるよう、わかりやすいサポートを行うことをモットーとしています。
相続税の概算や、生前対策の相談なども行っておりますので、お気軽にご連絡ください。
ウェブ面談も受け付けておりますので、ご希望の方はお申し付けください。
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